日本での就職を知る

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日本での就職で大切なこと

日本は、清潔・安全で、暮し易い国です。経済発展によって産業が進化し、その業務システムや“ものづくり”品質に学ぶことが多いことから、日本の学校を卒業した後、日本での就職を希望する留学生は年々増加しています。そこで、日本での就職において知っておくべき事を以下に紹介します。

海外人材が求められる背景

● 優秀な労働力とダイバーシティ

日本では、少子高齢化により、生産労働人口が年々減少しています。そこで、優秀な労働力として外国人を多く受け入れることは、日本の活性化のためにも重要な課題です。
また、グローバリズムの進展により、海外人材が益々求められる他、異なる価値観や文化的背景を持つ外国人と共に働くダイバーシティ(多様性)の観点から組織を活性化し、新たな価値を生み出そうとする気運も高まっています。
したがって、日本で働きたい外国人が増加するのと共に、日本企業における外国人採用意欲も上昇しています。
その際、留学生が日本で就職する場合、入国管理局で、「留学」の在留資格から就労可能な在留資格に変更する手続きを行わねばなりません。そして、この変更申請に対する許可件数は、平成22年(2010年)7831件が平成27年(2015年)15657件になり、この5年間で倍増しています(法務省入国管理局「平成27年における留学生の日本企業等への就職状況について」)。つまり、留学生の日本企業等への就職が急増しているのです。

● 日本企業が海外人材を求める背景

ここで言う「日本企業」は、日本国内で事業活動を行う会社です。日本の会社は約382万社あり、そのうち99.7%が中小企業です。
以前は、特に中小企業において、少子化によって若い日本人社員を採用し難くなったため、外国人を採用する傾向が見られました。
しかし、近年、海外人材の優秀さやマインドの強さが広く知られるようになると、「日本人・外国人に関係なく(国籍を問わず)優秀な人材を採用したい」と考える日本企業が増えてきました。今は多くの日本企業が、入社後の教育をはじめ、業務内容や報酬・昇進(ステップアップ)等についても、日本人社員と同様の条件で、海外人材を雇用しています。

● 日系企業が海外人材を求める背景

「日系企業」は、海外展開を行う日本の会社です。海外で現地法人を設立する他、多国籍企業でも本社が日本にある場合は「日系企業」と称します。日系企業は、大手の会社が中心です。
世界各地で事業活動を行う日系企業には、その国の言葉や状況を理解できる人材が必要です。そのため、現地法人の管理者として外国人を採用したり、新たな海外展開の際にその国の市場調査や開発等の業務において外国人を積極的に採用したりする企業が目立ちます。
無論、組織の活性化という点でも、日系企業は、ダイバーシティが進んでいます。優秀な外国人から刺戟を受けたり異なる価値観を吸収したりすることで、組織がよい“化学反応”を起すことが期待されているのです。したがって、海外人材は、日系企業において、特に海外事業やその国に関係する業務に携らなくても、“国籍を問わず優秀な人材”として受け入れられ、広範の業務に従事しています。

▼【参考】日本企業が留学生を採用する理由
① 国籍に関係なく優秀な人材を確保するため。
② 海外の取引先に関する業務を行うため。
③ 自社(またはグループ)の海外法人における将来の幹部候補として。
④ 新規に海外進出する際に発生する業務を行うため。
⑤ 自社(またはグループ)の海外法人との調整業務を行うため。
⑥ 日本人への影響を含めた社内活性化のため。
⑦ 日本人では確保しにくくなった専門分野を補うため。

(出典)財団法人海外技術者研修協会「日本企業における外国人留学生の就職促進に関する調査研究」

海外人材に求められる資質

日本企業の採用には、「新卒一括採用」という独特の方式があります。基本的に、3月に日本の学校を卒業した学生を4月から新入社員として受け入れる採用方式です。職業経験者を採用する「中途採用」もありますが、日本ではまだ「新卒採用」が主流です。そこで、海外人材のうち外国人留学生に求められる資質として、その主要素である日本語運用力について以下に解説します。

● 面接で試される日本語運用力――話す力・聴く力

留学生の就職活動において、日本企業が一番に注目する点が日本語運用力です。ここで注意するべきことは、企業は、日本語能力試験の結果だけを見て判断するのでないということです。日本では、採用過程で面接を重視する企業が多く、その際に「話す力」や「聴く力」が足りないと内定を得ることは難しくなります。

● 理系専門職には日常会話程度の日本語運用力で可とする場合も

入社後に求められる日本語運用力のレベルは、職種によって大きく2つに分けられます。1つは技術者・研究者等の主に理系専門職で、この場合、「社内で通用するコミュニケーション力があれば可」と言う企業も多いようです。最近は、IT技術者等の専門スキル抜群の人材であれば、日本語運用力を殆ど問わないと言う企業も見受けられます。ただし、技術系・研究系の職種でも、管理職になる場合、日本語運用力のレベルアップを求める企業もあります。

● ビジネスシーンでは高度な日本語運用力が必要

その一方で、営業・広報・総務等の文系職種は、クライアントや協力会社等との打ち合せや営業における提案力・交渉力等、社外の人とのコミュニケーションが求められるため、かなり高度な日本語運用力が必要です。日常会話と異なり、ビジネスシーンで使用する日本語であるため、ビジネス用語をはじめ、敬語表現の駆使や日本の企業文化を理解した上での会話力が求められます。

● 企業内研修で日本語運用力の向上が可能

全体的に見れば、日本でビジネスパーソンとして働く際に求められる日本語運用力は、かなり高レベルと言えます。しかし、日本企業の多くは、留学生に最初からそのような水準を求めていないようです。日本の企業の多くは、未経験の人材を「ゼロから育てる」という意識が強く、そのための教育・研修制度が充実していることも特色です。最近は、留学生を対象にしてその各レベルに応じた日本語研修等を段階的に実施する企業も多く、働きながら自身の日本語運用力を向上させられます。

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