外国人留学生に必要な日本語運用力と取得資格

外国人留学生に求められる日本語運用力

企業が求める日本語運用力

企業が外国人留学生を採用する際に重視する日本語運用力について調査した結果に拠れば、「相手の考えを理解する能力」「自分の考えを表現する能力」がほぼ同数で最上位に挙げられました。これに「TPOや人間関係に配慮して適切に表現する能力」が続きます。
また、日本企業は、留学生の日本語運用力を判断する際、次のような試験の結果等を参考にするようです。

● 日本語能力試験(JLPT)

● 日本留学試験(EJU)

● BJTビジネス日本語能力テスト

外国人留学生に求められる取得資格

就職に必要な日本語運用力はJLPT「N2」以上

調査結果に拠れば、日本語能力試験(JLPT)について、83%の企業が「N1」、9%の企業が「N2」の保有者を採用していました。BJTビジネス日本語能力テストの場合、500点以上である「J2」レベル以上の採用が多くなっています。
ただし、日本語試験等の結果を採用基準にする企業は20%以下で、それほど多くないのが実情です。つまり、採用した結果として、JLPT「N1」「N2」保有者が9割を越えていたということです。
繰り返して言えば、日本企業の採用過程では、面接が重視されます。実際に会って話してみて「ビジネスシーンで通用する日本語運用力があるか」を判断しているようです。
それより、外国人に期待されているのは、単なる日本語運用力の水準でなく、日本語と母語の両方を話せるバイリンガル人材であることです。そして、日本語と母語に加えて英語等も話せるマルチリンガル人材であれば更に歓迎され、活躍の場が広がります。複数の言語を駆使できることを強みにして企業にアピールすると、よい結果に繋がり易いと言えます。

民間企業は資格を問わないのが一般的

日本の民間企業では、外国人留学生の採用の際、必須になる資格は殆どありません。日本企業は、様々な研修を実施して新入社員を教育します。業務に必要な資格はその都度取得するように勧め、会社もそれをサポートします。
ただし、IT企業の就職では、必要な資格を取得していると学歴が不問になります独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「外国人IT技術者の日本での雇用に係る諸手続き」参照)

医療・介護・自動車整備では資格が必要

医療機関で医療従事者として働きたい人、施設等で介護福祉士として働きたい人、また自動車整備士として働きたい人は、日本の国家資格が必要です。国家資格が必要な職業は次の通りです。

分 野 国家資格が必要な職業
医 療 医師・看護師・准看護師・歯科医師・歯科衛生士・助産師・薬剤師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・診療放射線技師・臨床工学技士・義肢装具士・視能訓練士
介 護 介護福祉士
自動車整備 自動車整備士(2級以上)
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